三重点の自由度 90回薬剤師国家試験問18b
90回薬剤師国家試験 問18b
水の相平衡図(模式図)に関する記述の正誤を判定してみよう。
b T点は三重点とよばれ、その自由度は1である。
90回薬剤師国家試験 問18b 解答解説
b × T点は三重点とよばれ、その自由度は1である。
→ 〇 T点は三重点とよばれ、その自由度は0である。
図のT点は固相,液相,気相の三相が共存する特殊な点であり、三重点と呼ばれる。
三重点は物質固有の点である。
自由度(F)とは、
相の数を維持するのに自由に決定できる示強性状態関数(温度・圧力など)の数である。
ギブズの相律によると、
自由度(F)は次式で計算される。
F = C−P+2
(C:成分の数 P:相の数)
図の三重点は、
一成分系で相の数は3なので、
F = C−P+2 より、
F = 1−3+2 = 0
と計算される。
三重点の自由度は0ということは、
一成分系(純物質)において、
気相・液相・固相の三相の平衡状態を維持するにあたり、
自分たちで自由に決められる示強性状態関数の数は0であり、
全て指定されることを意味する。
また、蒸発曲線(蒸気圧曲線)、昇華曲線、融解曲線の各線上の二相共存状態の自由度は、
一成分系で相の数は2なので、
F = C−P+2 より、
F = 1−2+2 = 1
と計算される。
各曲線上の点の自由度が1ということは、
二相の平衡状態を維持するにあたり、
自分たちで自由に決められる示強性状態関数の数は1であり、
他は全て指定されることを意味する。