液体−液体の相図 94回薬剤師国家試験問19
94回薬剤師国家試験 問19
次の記述の「 a 」「 b 」に入れるべき数値の正しい組合せはどれか。
下図は化合物Aと化合物Bの液体−液体の相図である。A 50 g (0.59 mol) とB 50 g (0.41 mol) の混合物がある。290 Kで、Aを多く含む相の量はBを多く含む相の量の「 a 」倍であり、この混合物を加熱していくと、2相から1相となる温度は「 b 」Kである。ただし、xはBのモル分率である。
a b
1 0.14 292
2 0.14 294
3 1.4 292
4 1.4 294
5 7.0 292
6 7.0 294
94回薬剤師国家試験 問19 解答解説
正解は5(a:7.0 b:292)である。
設問で指定された
Aが50 g (0.59 mol) でBが50 g (0.41 mol) で290Kの点を
P点とする。
P点は相互溶解度曲線の内側なので、2相共存状態である。
◆ aについて
★ P点の各相の組成の読み方
P点から引いた連結線と相互溶解度曲線との2つの交点を、
それぞれQ点,R点とする。
Q点,R点の組成がP点で共存する各相の組成を表す。
よって、P点では、
Q点の組成(Bのモル分率=0.35)の液相と
R点の組成(Bのモル分率=0.83)の液相の2相が共存している。
問題文中の
「Aを多く含む相」とは、
Q点の組成(Bのモル分率=0.35)の液相であり、
「Bを多く含む相」とは、
R点の組成(Bのモル分率=0.83)の液相である。
Q点,R点の組成がP点で共存する各相の組成を表す。
よって、P点では、
Q点の組成(Bのモル分率=0.35)の液相と
R点の組成(Bのモル分率=0.83)の液相の2相が共存している。
問題文中の
「Aを多く含む相」とは、
Q点の組成(Bのモル分率=0.35)の液相であり、
「Bを多く含む相」とは、
R点の組成(Bのモル分率=0.83)の液相である。
◆ P点で共存する二相の物質量の比
P点において共存する2つの液相の総物質量の比は次のようになる。
Q点の組成の液相の総物質量:R点の組成の液相の総物質量
= PR:PQ
= (0.83−0.41):(0.41−0.35)
= 0.42:0.6
= 7:1
となる。
◆ bについて
P点から温度を上げていくと、
292Kで相互溶解度曲線にぶつかる。
よって、P点の混合物を加熱して
2相から1相となる温度は「b:292」Kである。
◆ 臨界融解温度(臨界共溶温度)
294Kは相互溶解度曲線の極大点の温度であり、
294K以上の温度なら、
AとBはどのような混合割合でも混じり合って1相となる。
294Kの温度を臨界溶解温度(臨界共溶温度)と呼ぶ。