液相−気相状態図 93回薬剤師国家試験問18

93回薬剤師国家試験 問18
図は成分A及びBからなる混合物の液相−気相状態図である。P点にある混合物の温度上昇に伴って観測される状態変化の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、P点における成分Bのモル分率はXである。

 

液相−気相状態図のモル分率・蒸留 93回薬剤師国家試験問18

 

a 温度T1で、気相が現れる。
b 温度T2では、液相中の成分Bのモル分率はXより大きい。
c 温度T2では、気相中の成分Bのモル分率はXより大きい。
d 温度T1で、蒸気を集めて冷却して液化したものを再蒸留する。この操作を繰り返すと、ほぼ成分Bの蒸気が得られる。

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93回薬剤師国家試験 問18 解答解説

 

◆ aについて
a 〇 温度T1で、気相が現れる。

 

P点にある組成Xの溶液を加熱すると、
液相線(蒸発曲線)とぶつかる温度T1で沸騰が始まり、
気相が現れる。

 

液相−気相状態図のモル分率・蒸留 93回薬剤師国家試験問18

 

 

◆ b,cについて
b 〇 温度T2では、液相中の成分Bのモル分率はXより大きい。

 

c × 温度T2では、気相中の成分Bのモル分率はXより大きい。
→ 〇 温度T2では、気相中の成分Bのモル分率はXより小さい。

 

P点の溶液を温度T2まで加熱すると、Q点になる。
Q点から連結線を引き、
気相線とぶつかった点RのBのモル分率(XR)が気相中のBのモル分率であり、
液相線とぶつかった点SのBのモル分率(XS)が気相中のBのモル分率である。

 

液相−気相状態図のモル分率・蒸留 93回薬剤師国家試験問18

 

 

また、点Qにおいては、
液相の総物質量:気相の総物質量
= RQ:QS = X−XR:Xs−X
となる。

 

液相−気相状態図のモル分率・蒸留 93回薬剤師国家試験問18

 

 

◆ dについて
d × 温度T1で、蒸気を集めて冷却して液化したものを再蒸留する。この操作を繰り返すと、ほぼ成分Bの蒸気が得られる。
→ 〇 温度T1で、蒸気を集めて冷却して液化したものを再蒸留する。この操作を繰り返すと、ほぼ成分A の蒸気が得られる。

 

P点を始点とし、
溶液を沸騰させ、蒸気を集めて冷却して液化したものを再蒸留する。
この操作を繰り返すと、図の赤矢印の経路をたどるように、
得られる蒸気はAのモル分率が高くなっていき、
最終的にはほぼ成分Aの蒸気となる。

 

液相−気相状態図のモル分率・蒸留 93回薬剤師国家試験問18

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