水の気化におけるエントロピーとエンタルピーの変化 84回薬剤師国家試験問16b

84回薬剤師国家試験 問16b
水の性質に関する次の記述の正誤を判定してみよう。

 

b 沸点で水が気化するとき、水1モルあたりのエントロピーは増大する(ΔS > 0)が、エンタルピーは低下する(ΔH < 0)。

 

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84回薬剤師国家試験 問16b 解答解説

 

b × 沸点で水が気化するとき、水1モルあたりのエントロピーは増大する(ΔS>0)が、エンタルピーは低下する(ΔH<0)。
→ 〇 沸点で水が気化するとき、水1モルあたりのエントロピーは増大する(ΔS>0)が、エンタルピーも増大する(ΔH>0)。

 

仕事が体積変化に伴う仕事(膨張・圧縮)に限られる場合、
定圧条件下で系に出入りする熱(q p)はエンタルピー変化(僣)に等しい。
系が純水で、水が気化するとき、吸熱するのでエンタルピー変化は正であり(僣>0)、エンタルピーは増大する。

 

エントロピー(S)とは、
系の乱雑さを定量的に表す熱力学量であり、
乱雑さが大きいほど、エントロピー(S)の値は大きい。
一般に、固体→液体→気体と物理的状態が変化するのに伴い、
分子間相互作用が切断されて分子の束縛は小さくなり、
系の乱雑さは増大し、エントロピー(S)は増大すると考えられる。

 

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