フェノールと水の液相−液相平衡 88回薬剤師国家試験問19

88回薬剤師国家試験 問19
図に示されたフェノールと水の二成分系の液相−液相平衡に関する記述の正誤について、正しいものはどれか。

 

フェノールと水の液相−液相平衡 88回薬剤師国家試験問19

 

a 曲線ABCの外側では、両成分は溶け合い均一溶液であり、内側では二相に分離する。点Bの温度TBを臨界溶解温度という。
b 高温で一相になる系では、一般的に混合熱は発熱である。
c wFは、温度T1におけるフェノールの飽和溶解度である。
d 点Hでは、点Eと点Fの組成の二相に分離する。その重量比 wE/wFは L1/L2である。

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88回薬剤師国家試験 問19 解答解説

 

◆ aについて
a 〇 曲線ABCの外側では、両成分は溶け合い均一溶液であり、内側では二相に分離する。点Bの温度TBを臨界溶解温度という。

 

TBは相互溶解度曲線の極大点の温度であり、TB以上の温度なら、フェノールと水はどのような混合割合でも混じり合って1相となる。
TBの温度を臨界溶解温度(臨界共溶温度)と呼ぶ。

 

フェノールと水の液相−液相平衡 88回薬剤師国家試験問19

 

 

◆ bについて
b × 高温で一相になる系では、一般的に混合熱は発熱である。
→ 〇 高温で一相になる系では、一般的に混合熱は吸熱である。

 

高温で一相になる系は、
高温ほど混合が進むということであり、
混合に伴い吸熱が起こると考えられる。

 

 

◆ cについて
c × wFは、温度T1におけるフェノールの飽和溶解度である。

 

wFは、温度T1でのフェノールに対する水の飽和溶解度である。
wEは、温度T1での水に対するフェノールの飽和溶解度である。

 

フェノールと水の液相−液相平衡 88回薬剤師国家試験問19

 

 

◆ dについて
d × 点Hでは、点Eと点Fの組成の二相に分離する。その重量比 wE/wFは L1/L2である。
→ 〇 点Hでは、点Eと点Fの組成の二相に分離する。その重量比 wE/wFは L2/L1である。

 

点Hでは、
点Eの組成(wE)の液相と
点Fの組成(wF)の液相の
2つの液相が共存する。
共存する2つの液相の重量の比は次のようになる。
点Eの組成の液相の重量:点Fの組成の液相の重量
= HF:HE
= L2:L1

 

フェノールと水の液相−液相平衡 88回薬剤師国家試験問19

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