薬物吸収に関する記述 96回薬剤師国家試験問152

96回薬剤師国家試験 問152
薬物吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 膜透過性が高い薬物ほど、小腸吸収過程において非撹拌水層の影響を大きく受ける。
2 多くの薬物の口腔粘膜吸収は、能動輸送によるものである。
3 肺から吸収された薬物は、肝初回通過効果を受けない。
4 皮膚における汗腺や毛穴などの付属器官は、多くの薬物の経皮吸収の主たる経路である。

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96回薬剤師国家試験 問152 解答解説

 

◆ 1について
1 ○ 膜透過性が高い薬物ほど、小腸吸収過程において非撹拌水層の影響を大きく受ける。

 

薬物が小腸から吸収される際、小腸粘膜近傍の非撹拌水層を拡散して細胞膜に到達する過程と、膜を透過する過程を経る。
膜透過性が高い薬物の吸収は、小腸粘膜近傍の非撹拌水層の拡散速度に依存する。

 

関連問題
親水性薬物の吸収速度と非撹拌水層 103回問167の4

 

 

◆ 2について
2 × 多くの薬物の口腔粘膜吸収は、能動輸送によるものである。
→ 〇 多くの薬物の口腔粘膜吸収は、受動輸送によるものである。

 

 

◆ 3について
3 ○ 肺から吸収された薬物は、肝初回通過効果を受けない。

 

肺から吸収された薬物は、直接全身循環血に移行するため、
肝臓での初回通過効果を受けない。

 

 

◆ 4について
4 × 皮膚における汗腺や毛穴などの付属器官は、多くの薬物の経皮吸収の主たる経路である。

 

薬物が経皮吸収される経路として、単純拡散により表皮から真皮に至り、真皮の毛細血管から全身循環血に移行する経路(皮膚透過経路)の寄与が大きい。

 

他の経皮吸収の経路として、毛嚢や皮脂腺・汗腺などの付属器官から吸収される経路(付属器官経路)もあるが、
これら付属器官は有効面積が小さいため、経皮吸収における付属器官経路の寄与は小さい。

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