電気浸透流の中での陰イオン,陽イオン,中性物質の泳動速度 100回薬剤師国家試験問98の2
100回薬剤師国家試験 問98の2
キャピラリー電気泳動に関する次の記述を判定してみよう。
2 フューズドシリカ製キャピラリーと中性の緩衝液を用いて電気泳動を行うと、陰イオン性物質は中性物質よりも速く泳動される。
100回薬剤師国家試験 問98の2 解答解説
2 × フューズドシリカ製キャピラリーと中性の緩衝液を用いて電気泳動を行うと、陰イオン性物質は中性物質よりも速く泳動される。
→ 〇 フューズドシリカ製キャピラリーと中性の緩衝液を用いて電気泳動を行うと、陰イオン性物質は中性物質よりも遅く泳動される。
フューズドシリカ製キャピラリーとpH3以上の緩衝液を用いて電気泳動を行うと、
電気浸透流が生じて、
泳動液全体が陰極に向かって移動する。
一般に、電気浸透流はイオンの泳動速度に比べて十分に速いため、
陰イオンであっても陰極端で検出される。
電気浸透流の生じたキャピラリー電気泳動では、
泳動速度の速いものから、
陽イオン→中性物質→陰イオンの順となる。
陽イオンは正電荷により陽極方向への引力が働く分、
泳動速度は速くなる。
陰イオンは負電荷により陽極方向への引力が働く分、
泳動速度は遅くなる。