電気泳動 電圧に比例,亜硝酸イオンと硝酸イオン 87回薬剤師国家試験問29
87回薬剤師国家試験 問29
電気泳動法に関する記述の正誤について,正しいものはどれか。
a イオンの電気泳動速度は,電圧の平方根に比例する。
b イオンの電気泳動速度は,温度の影響を受けない。
c 電気泳動移動度は,緩衝液の種類によらず一定である。
d 安息香酸は,pH7では陽極方向に泳動される。
e 中性での電気泳動移動度は,亜硝酸イオンの方が硝酸イオンより大きい。
87回薬剤師国家試験 問29 解答解説
◆ aについて
a × イオンの電気泳動速度は,電圧の平方根に比例する。
→ 〇 イオンの電気泳動速度は,電圧に比例する。
詳細は下記のリンク先を参照
電気泳動速度 93回問27
◆ bについて
b イオンの電気泳動速度は,温度の影響を受けない。
温度などの条件が変化すれば、電気泳動移動速度の値は変化する。
関連問題
電気泳動移動度 90回問29の1
◆ cについて
c × 電気泳動移動度は,緩衝液の種類によらず一定である。
電気泳動移動度は同一条件下では物質に固有の一定値を示す。
しかし、緩衝液の種類によってpHやイオン強度などの条件が異なれば、
電気泳動移動度の値は変化する。
◆ dについて
d 〇 安息香酸は,pH7では陽極方向に泳動される。
安息香酸は弱酸性物質であり、
pH7では陰イオンとなるので陽極方向に泳動される。
詳細は下記のリンク先を参照
電気泳動の安息香酸 87回問29d
◆ eについて
e 〇 中性での電気泳動移動度は,亜硝酸イオンの方が硝酸イオンより大きい。
電気泳動ではイオンのサイズが小さいほど移動度が大きくなる。
中性pHにおいて亜硝酸イオン(NO2-)と硝酸イオン(NO3-)はどちらも電荷は−1だが、
亜硝酸イオンは硝酸イオンよりもサイズが小さいので、
電気泳動移動度は亜硝酸イオンの方が大きい。