ゲルの濃度と移動度,DNAの分離と臭化エチジウム 99回薬剤師国家試験問98

99回薬剤師国家試験 問98
電気泳動法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。

 

1 イオン性物質の移動速度は電場の強さに比例する。
2 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動では、タンパク質は陽極から陰極に向かって泳動される。
3 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動では、ゲルの濃度が高いほど、タンパク質の移動度が大きくなる。
4 等電点電気泳動では、電極間にpH勾配を形成させてタンパク質の分離を行う。
5 アガロースゲル電気泳動でDNAを分離するには、試料に臭化エチジウムを加える必要がある。

トップページへ

 

薬剤師国家試験過去問題 科目別まとめ一覧 へ

 

薬剤師国家試験過去問題 電気泳動一覧 へ

 

 

99回薬剤師国家試験 問98 解答解説

 

◆ 1について
1 〇 イオン性物質の移動速度は電場の強さに比例する。

 

詳細は下記のリンク先を参照
電気泳動のイオン性物質の移動速度は電場の強さに比例 99回問98の1

 

 

◆ 2について
2 × SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動では、タンパク質は陽極から陰極に向かって泳動される。
→ 〇 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動では、タンパク質は陰極から陽極に向かって泳動される。

 

詳細は下記のリンク先を参照
SDS-PAGEの原理 99回問98の2

 

 

◆ 3について
3 × SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動では、ゲルの濃度が高いほど、タンパク質の移動度が大きくなる。
→ 〇 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動では、ゲルの濃度が高いほど、ゲルの網目が細かくなるので、タンパク質の移動度が小さくなる。

 

 

◆ 4について
4 〇 等電点電気泳動では、電極間にpH勾配を形成させてタンパク質の分離を行う。

 

詳細は下記のリンク先を参照
等電点電気泳動 両性電解質とpH勾配 99回問98の4

 

 

◆ 5について
5 × アガロースゲル電気泳動でDNAを分離するには、試料に臭化エチジウムを加える必要がある。

 

臭化エチジウムはDNAの分離ではなく検出に利用される。
臭化エチジウムはDNAやRNAの塩基対間に挿入される物質(インターカレーター)であり、
さらに、紫外線を吸収して蛍光を発するので、分離されたDNAやRNAの検出に利用される。

 

★ 参考外部サイトリンク
臭化エチジウム(Wikipediaさん)

 

 

★ 他サイトさんの解説のリンク
99回問98(e-RECさん)

トップへ戻る