93回薬剤師国家試験問27 電気泳動法におけるイオンの泳動速度
93回薬剤師国家試験 問27
電気泳動法におけるイオンの泳動速度に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a イオンの泳動速度は、イオンの電荷に反比例する。
b イオンの泳動速度は、イオンの半径に比例する。
c イオンの泳動速度は、溶媒の粘度に反比例する。
d イオンの泳動速度は、電極間の距離に反比例する。
e イオンの泳動速度は、温度の平方根に比例する。
93回薬剤師国家試験 問27 解答解説
電気泳動における荷電粒子の移動速度(ν:ニュー)は
次式で表される。
したがって、
電気泳動において、
イオン性物質の移動速度と比例するのは
粒子の荷電、電場の強さ、電圧であり、
イオン性物質の移動速度と反比例するのは
粒子の半径、溶媒の粘度、電極間の距離である。
以上より、
選択肢の正誤は下記の通り。
a × イオンの泳動速度は、イオンの電荷に比例する。
→ 〇 イオンの泳動速度は、イオンの電荷に比例する。
b × イオンの泳動速度は、イオンの半径に比例する。
→ 〇 イオンの泳動速度は、イオンの半径に反比例する。
c 〇 イオンの泳動速度は、溶媒の粘度に反比例する。
d 〇 イオンの泳動速度は、電極間の距離に反比例する。
e × イオンの泳動速度は、温度の平方根に比例する。
温度はイオンの泳動速度に影響するが、
温度と移動速度の間に比例、または、反比例の関係はない。