等電点電気泳動 両性電解質とpH勾配の形成 99回薬剤師国家試験問98の4
99回薬剤師国家試験 問98の4
電気泳動法に関する下記の記述の正誤を判定してみよう。
4 等電点電気泳動では、電極間にpH勾配を形成させてタンパク質の分離を行う。
99回薬剤師国家試験 問98の4 解答解説
4 〇 等電点電気泳動では、電極間にpH勾配を形成させてタンパク質の分離を行う。
等電点電気泳動は、
電極間にpH勾配を形成し、
試料中の各成分を等電点に等しい位置に濃縮して分離する。
等電点電気泳動では、アミノ基やカルボキシ基などの解離基を複数持つ両性電解質(アンフォライト)の混合物を緩衝液に溶解させる。これら両性電解質が各々の等電点の順に並ぶことで、電極間にpH勾配が形成される。
等電点電気泳動の泳動槽液には、
陽極に酸を、陰極に塩基を用い、
陽極側が低pH、
陰極側が高pHとなるようpH勾配が形成される。
そのため、
等電点の低いもの(負電荷を帯びやすいもの)ほど陽極側に泳動され、
等電点の高いものほど(正電荷を帯びやすいものほど)陰極側に泳動される。
等電点電気泳動では、試料中の各成分はその等電点に等しいpH位置まで泳動され、止まり、濃縮されて分離される。
濃縮された位置から各成分の等電点を求めることができる。
関連問題
等電点電気泳動では物質の分子量は分離にほとんど影響しない 94回問28a
★参考外部サイトリンク
等電点電気泳動(大塚電子株式会社さん)