94回薬剤師国家試験問28 DNAの鎖長が2倍になると…二次元電気泳動法とプロテオーム解析
94回薬剤師国家試験 問28
電気泳動法に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a 等電点電気泳動法では、物質の分子量は分離にほとんど影響しない。
b SDS-ゲル電気泳動法では、物質の分子量は分離にほとんど影響しない。
c キャピラリーゾーン電気泳動でDNAの分離を行う場合、DNAの鎖長が2倍になると泳動速度も2倍になる。
d 二次元電気泳動法は分離能が高いため、生体内のタンパク質を一斉に分析するプロテオーム解析に利用される。
94回薬剤師国家試験 問28 解答解説
◆ aについて
a 〇 等電点電気泳動法では、物質の分子量は分離にほとんど影響しない。
等電点電気泳動では、
電極間にpH勾配が形成されており、
試料中の各成分はその等電点に等しいpH位置まで泳動され、止まり、濃縮されて分離される。
詳細は下記のリンク先を参照
等電点電気泳動 両性電解質とpH勾配 99回問98の4
◆ bについて
b × SDS-ゲル電気泳動法では、物質の分子量は分離にほとんど影響しない。
SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)は、
ゲルの分子ふるい効果を利用し、
タンパク質を分子量,または,分子サイズに応じて分離する電気泳動法である。
詳細は下記のリンク先を参照
SDS-PAGEの原理 99回問98の2
◆ cについて
c × キャピラリーゾーン電気泳動でDNAの分離を行う場合、DNAの鎖長が2倍になると泳動速度も2倍になる。
DNAは単位電荷当たりの質量が一定、または、
単位質量当たりの電荷数が一定であるため、
イオン性物質の泳動速度がイオン半径に反比例するならば、
キャピラリーゾーン電気泳動でDNAの分離を行う場合、
理論的に、DNAの鎖長が2倍になると泳動速度は1/2になると考えられる。
◆ dについて
d 〇 二次元電気泳動法は分離能が高いため、生体内のタンパク質を一斉に分析するプロテオーム解析に利用される。
★ 参考外部サイトリンク
二次元電気泳動(Cytivaさん)