経口投与後の薬物吸収に及ぼす食事の影響 94回薬剤師国家試験問153

94回薬剤師国家試験 問153
経口投与後の薬物吸収に及ぼす食事の影響に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 フェニトインは、水溶性が低いので、食後に投与した方が吸収は増大する。
2 リボフラビンは、食後に投与すると胃内滞留時間が長くなり、胃酸による分解が進み吸収が低下する。
3 アセトアミノフェンは、食後に投与すると胃内容排出速度が小さくなるため、吸収が遅延する。
4 シクロスポリンは、脂溶性が高く、吸収は食事の影響を受けない。

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94回薬剤師国家試験 問153 解答解説

 

◆ 1,4について
1 × フェニトインは、水溶性が低いので、食後に投与した方が吸収は増大する。
4 × シクロスポリンは、脂溶性が高く、吸収は食事の影響を受けない。

 

フェニトインとシクロスポリン、脂溶性が高く、難溶性の薬物である。
脂溶性の高い薬物は、脂肪が含まれる食物により分泌される胆汁中の胆汁酸により可溶化されるため、食後に投与した方が吸収量は増大する。

 

 

◆ 2について
2 × リボフラビンは、食後に投与すると胃内滞留時間が長くなり、胃酸による分解が進み吸収が低下する。

 

リボフラビン(ビタミンB2)は、十二指腸付近のトランスポーターを介して吸収される。
リボフラビンを食後に投与すると、
食事により胃内容排出速度が低下し、リボフラビンが少しずつ小腸に輸送され、
トランスポーターが飽和しにくくなるので、吸収量は増大する。

 

 

◆ 3について
3 ○ アセトアミノフェンは、食後に投与すると胃内容排出速度が小さくなるため、吸収が遅延する。

 

アセトアミノフェンは、小腸で単純拡散により吸収される。
単純拡散により小腸で吸収される薬物を食後に投与すると、
食事により胃内容排出速度が低下し、吸収速度が低下する。

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