分散力とは 105回薬剤師国家試験問98の1

105回薬剤師国家試験 問98の1
下記の分子間相互作用の名称と特徴の組合せの正誤を判定してみよう。

 

1 分散力:無極性分子同士を含め、全ての物質の間にはたらく相互作用で、物質の分極率が大きいほど強くなる。

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105回薬剤師国家試験 問98の1 解答解説

 

1 〇 分散力:無極性分子同士を含め、全ての物質の間にはたらく相互作用で、物質の分極率が大きいほど強くなる。

 

分散力とは、ロンドン力とも呼ばれ、分子内電子雲の瞬間的なゆらぎが基で生じる、瞬間双極子−誘起双極子相互作用であり、
ファンデルワールス相互作用の引力に分類される。
無極性分子を例に、分散力の機序を説明する。
無極性分子においても、瞬間的には電子雲のゆらぎが生じ、分子内に+と−の電荷の偏りが生じている。
無極性分子内に瞬間的な電荷の偏りが生じると、それによって近くの無極性分子において電荷の偏りが誘起され、無極性分子間でも弱いながらファンデルワールス引力による相互作用が起こる。これを、瞬間双極子−誘起双極子相互作用といい、この時の引力を分散力またはロンドン力と呼ぶ。
瞬間双極子−誘起双極子相互作用の元となる瞬間的な電子雲のゆらぎは、無極性分子のみならず全ての分子で起こりうるので、分散力(ロンドン力)は無極性分子だけでなく全ての分子間に働く。
分散力(ロンドン力)は双極子−双極子相互作用の1種なので、物質の分極率が大きいほど強くなる。

 

なお、分散力(ロンドン力)のポテンシャルエネルギーは、双極子間の距離の6乗に反比例する。

 

関連問題
・分散力は分子内電子雲のゆらぎにより生じる? 91回問16b

 

・分散力のポテンシャルエネルギーと距離の関係 100回問91の3

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