94回薬剤師国家試験問12 沸点の最も低いものと最も高いものはどれか
第94回薬剤師国家試験 問12
次の日本薬局方一般試験法の試薬・試液の項にある物質a〜eのうち、沸点の最も低いものと最も高いものはどれか。
a メタノール
b ジエチルエーテル
c グリセリン
d トルエン
e 精製水
第94回薬剤師国家試験 問12 解答解説
沸点の最も低いものは、
bのジエチルエーテルであり、
沸点の最も高いものは、
cのグリセリンである。
分子間力が強いほど沸点は高くなる。
水素結合は比較的に強い分子間相互作用なので、これを多く形成できるものほど沸点は高くなる。
グリセリンは−OH基を3つ有しており、グリセリン分子同士で水素結合を多く形成することができるため、最も沸点が高い。
他、水、メタノールも−OHを有するので、水分子同士、メタノール分子同士で水素結合を形成できる。
dのトルエンは水素結合を形成する官能基を持たない。
しかし、ファンデルワールス力の1種である分散力(ロンドン分散力)は大きい分子ほど強くなるので、設問の物質の中では比較的に大きい分子であるトルエンは分散力が相対的に強い。このことから、トルエンの沸点は相対的に高い。
ジエチルエーテルは分子量が小さく、かつ、ジエチルエーテル分子同士で水素結合を形成できる官能基を持たないため、沸点が最も低い。
なお、各物質の1気圧の時のおおよその沸点は下記の通りである。
グリセリン:290℃
> トルエン:110℃
> 精製水:100℃
> メタノール:65℃
> ジエチルエーテル:35℃
★参考外部サイトリンク
水素結合(理系ラボさん)