ストークス式に関する次の記述の正誤 82回薬剤師国家試験問168
82回薬剤師国家試験 問168
ストークス式に関する次の記述の正誤について、正しいものはどれか。
a 一定の距離を落下するのに必要な時間の平方根と粒子径は、反比例の関係にある。
b 一定の距離を落下するのに必要な時間は、粒子径が一定ならば液体の粘度に比例する。
c 一定の距離を落下するのに必要な時間は、粒子径が一定ならば粒子の真密度の2乗に反比例する。
82回薬剤師国家試験 問168 解答解説
懸濁液や乳濁液などの分散系において、
球状の粗大粒子(粒子径1μm以上)の分散沈降(自由沈降)の速度は、
下記のストークスの式で表される。
これを踏まえ、選択肢a〜cの記述の解説を行う。
◆ aについて
a 〇 一定の距離を落下するのに必要な時間の平方根と粒子径は、反比例の関係にある。
粒子の沈降時間(t)と粒子径の2乗(d2)は反比例の関係にある。
よって、粒子の沈降時間の平方根(√t)と粒子径(d)は反比例の関係にあるといえる。
◆ bについて
b 〇 一定の距離を落下するのに必要な時間は、粒子径が一定ならば液体の粘度に比例する。
粒子の沈降時間(t)は溶媒の粘度(η)は比例する。
◆ cについて
c × 一定の距離を落下するのに必要な時間は、粒子径が一定ならば粒子の真密度の2乗に反比例する。
粒子の沈降時間(t)は、粒子の密度と溶媒の密度の差(ρ−ρ0)に反比例する。