小腸粘膜表面のpHと薬物の吸収性 95回薬剤師国家試験問151の4

95回薬剤師国家試験 問151の4
薬物の生体膜透過におけるpH分配仮説に関する下記の記述の正誤を判定してみよう。

 

4 小腸における吸収性がこの仮説に基づく予測からずれることがあるが、これは粘膜表面が弱アルカリ性のpHに保たれていることが一因である。

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95回薬剤師国家試験 問151の4 解答解説

 

4 × 小腸における吸収性がこの仮説に基づく予測からずれることがあるが、
これは粘膜表面が弱アルカリ性の pHに保たれていることが一因である。
→ 〇 小腸における吸収性がこの仮説に基づく予測からずれることがあるが、
これは粘膜表面が弱酸性のpHに保たれていることが一因である。

 

小腸粘膜表面においては、細胞からプロトンが分泌され、粘膜表面のグリコカリックスにより、プロトンの管腔側への拡散が妨げられていることから、小腸粘膜表面のpHは、小腸管腔内部のpHよりも低く保たれている。
このことは、小腸における薬物吸収について、pH分配仮説に基づき小腸管腔内のpHで計算した予測の吸収と、実際の吸収とがずれる一因と考えられている。

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