質量分析 化学イオン化法(CI)の原理と特徴
本ページでは、質量分析法の化学イオン化法(CI)について説明しています。
化学イオン化法(Chemical ionization:CI)は、気化した試料分子に反応イオンを反応させてイオン化する方法である。
反応イオンとは、水,アンモニア,メタン,イソブタンなどの試薬ガスを熱電子によりイオン化したものである。
試料分子がイオン化される反応は、
主としてプロトンの付加による[M+H]+の生成であるが、
他にもプロトンの脱離による[M−H]-の生成,ヒドリドイオンの脱離,反応イオンの付加などでも試料はイオン化される。
化学イオン化法(CI)で得られる試料分子のイオンは電子イオン化(EI)法のものよりエネルギーが小さく安定であるため、
フラグメンテーションは比較的に少ない。
化学イオン化法は揮発性の低分子(分子量1000程度まで)のイオン化に適する。
よって、化学イオン化法は難揮発性物質や高分子には適さない。
また、化学イオン化法は試料分子を加熱気化するため、熱分解しにくい分子に限られる。