求核性と塩基性・共役酸の酸性の関係 87回薬剤師国家試験問9
第87回薬剤師国家試験 問9
メタノール中でのヨウ化メチル(CH3I)に対する求核置換反応(SN2)において,求核試薬の反応性の高いものから順に並べなさい。
第87回薬剤師国家試験 問9 解答解説
本問ではa〜dの求核試薬としての求核性を比較する。
負電荷を帯びるアニオンの試薬は電気的に中性の試薬より求核性が強い。
aは電気的に中性な分子形で、c〜dは負電荷を帯びているアニオンである。
よって、aの求核性が最も弱いと考えられる。
次にb〜dの比較をするが、b〜dはどれも反応原子が酸素原子である。
反応原子が同じ求核試薬同士の比較では、
求核性の序列と塩基性の序列がおよそ一致する。
よって、b〜dの求核性の序列を判定するには、塩基性を比較すればよい。
塩基性の序列は共役酸の酸性の序列の逆である。
したがって、塩基性を比較するには、共役酸の酸性を比較すればよい。
b〜dの共役酸の酸性の序列は下記の通り。
よって、b〜dの塩基性の序列は下記の通り。
以上より、求核性の序列は、b>d>c>aである。
求核剤の求核反応の反応性についての関連問題へのリンク
・108回問103