E2反応はトランス脱離 アンチペリプラナー形立体配座で進行 85回薬剤師国家試験問11d

85回薬剤師国家試験 問11d
化学反応に関する次の記述の正誤を判定してみよう。

 

d E2反応は典型的な脱離反応で、
触媒として一般に酸が用いられるトランス脱離である。

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85回薬剤師国家試験 問11d 解答解説

 

d × E2反応は典型的な脱離反応で、触媒として一般に酸が用いられるトランス脱離である。

 

E2反応は典型的な脱離反応で、反応物として塩基が用いられるトランス脱離である。
E2反応は、基質の水素と脱離基の位置が互いにトランスとなる立体配座(アンチペリプラナー形配座)で進行する。
また、E2反応では、塩基の量は触媒量ではなく、基質と当量が必要である。

 

以下、詳細

 

第2級、第3級のハロゲン−sp3炭素の構造を有するハロゲン化合物に強塩基を反応させると、ハロゲン−sp3炭素に隣接する炭素に結合する水素が、塩基によってプロトンとして引き抜かれると同時に、ハロゲンが脱離し、アルケンが生成する。この脱離反応をE2反応(二分子脱離反応)という。E2反応は、一段階の反応である。

 

E2反応 アンチペリプラナー形立体配座 アンチ(トランス)脱離 85回問11d

 

したがって、E2反応では、反応させる塩基の量は、
触媒量ではなく、基質と当量が必要である。

 

 

★ E2反応は、脱離する水素と脱離基について、互いにトランスの位置となるアンチペリプラナー形の立体配座で進行する。その立体がアルケンに保持されるので、
特定の立体配座から、特定の立体のアルケンが生成する。

 

 アンチペリプラナー形とは、隣接する2つの炭素に結合する2つの原子の立体配座について、同一平面にあり、かつ、ねじれ形をとることを指す。

 

E2反応 アンチペリプラナー形立体配座 アンチ(トランス)脱離 85回問11d

 

E2反応は、脱離する水素と脱離基(X)について、アンチペリプラナー形の立体配座で進行する。
その立体がアルケンになるまで保持されるので、特定の立体配座から、特定の立体のアルケンが生成する。

 

E2反応 アンチペリプラナー形立体配座 アンチ(トランス)脱離 85回問11d

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