ハロゲン化アルキルに強塩基が反応してE2脱離 90回薬剤師国家試験問12b
90回薬剤師国家試験 問12b
次の反応の主生成物の構造の正誤を判定してみよう。
90回薬剤師国家試験 問12b 解答解説
上記の主生成物の構造は誤りである。
本問の反応では、ハロゲン−sp3炭素を有する3級ハロゲン化アルキルに対し、
強塩基であるナトリウムエトキシドを反応させているので、
3級ハロゲン化アルキルを基質としたE2反応が進行し、
主生成物としてアルケンを生成する。
★ 第2級、第3級ハロアルカンに強塩基を用いると、E2反応が優先して進行する。
第2級、第3級のハロゲン−sp3炭素の構造を有するハロゲン化合物に、ナトリウムエトキシドなどの強塩基を反応させると、ハロゲン−sp3炭素に隣接する炭素に結合する水素が、塩基によってプロトンとして引き抜かれると同時に、ハロゲンが脱離し、アルケンが生成する。この脱離反応をE2反応（二分子脱離反応）という。
本問のE2反応は、下記のように進行する。
