口腔粘膜からの薬物吸収 89回薬剤師国家試験問151
89回薬剤師国家試験 問151
口腔粘膜からの薬物吸収に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選びなさい。
a 口腔粘膜から吸収された薬物は、肝臓を経ることなく直接全身循環に到達するため、肝初回通過効果を回避できる。
b ニトログリセリンの舌下錠は、口腔粘膜から徐々に吸収させることを目的とした錠剤である。
c 禁煙補助剤のニコチンガムは、全身作用を目的として口腔粘膜からニコチンを吸収させるための製剤である。
d プロプラノロール塩酸塩は吸収されやすいので、経口投与でも口腔粘膜投与でもバイオアベイラビリティは同じである。
89回薬剤師国家試験 問151 解答解説
◆ aについて
a ○ 口腔粘膜から吸収された薬物は、肝臓を経ることなく直接全身循環に到達するため、肝初回通過効果を回避できる。
◆ bについて
b × ニトログリセリンの舌下錠は、口腔粘膜から徐々に吸収させることを目的とした錠剤である。
→ 〇 ニトログリセリンの舌下錠は、口腔粘膜から速やかに吸収させることを目的とした錠剤である。
◆ cについて
c ○ 禁煙補助剤のニコチンガムは、全身作用を目的として口腔粘膜からニコチンを吸収させるための製剤である。
ニコチンガムは、製剤を噛み、噛んだものを頬と歯茎の間に置き、
ニコチンを口腔粘膜の血管から吸収させ、全身循環に送達する製剤である。
◆ dについて
d × プロプラノロール塩酸塩は吸収されやすいので、経口投与でも口腔粘膜投与でもバイオアベイラビリティは同じである。
プロプラノロールは、脂溶性が高いので吸収されやすいが、
肝初回通過効果が大きい。
よって、プロプラノロール塩酸塩は、
経口投与では肝初回通過効果を受けるので、バイオアベイラビリティは小さく、
口腔粘膜投与では肝初回通過効果を回避できるので、バイオアベイラビリティは大きい。