薬物吸収に関する記述 92回薬剤師国家試験問152
92回薬剤師国家試験 問152
薬物吸収に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選びなさい。
a 口腔粘膜を介した薬物吸収は、一般に能動輸送により起こる。
b ペプチド性薬物のデスモプレシン酢酸塩水和物は、全身作用を目的に経皮吸収型製剤として用いられる。
c 肺から吸収された薬物は、肝初回通過効果を受けない。
d 直腸下部の粘膜から吸収された薬物は、肝初回通過効果を受けない。
92回薬剤師国家試験 問152 解答解説
◆ aについて
a × 口腔粘膜を介した薬物吸収は、一般に能動輸送により起こる。
→ 〇 口腔粘膜を介した薬物吸収は、一般に受動輸送により起こる。
◆ bについて
b × ペプチド性薬物のデスモプレシン酢酸塩水和物は、全身作用を目的に経皮吸収型製剤として用いられる。
→ 〇 ペプチド性薬物のデスモプレシン酢酸塩水和物は、全身作用を目的に、経口製剤と点鼻剤として用いられる。
抗利尿薬のデスモプレシンは、中枢性尿崩症や夜尿症の治療薬であり、
全身循環への吸収を目的に、経口製剤と点鼻剤として用いられる。
◆ cについて
c ○ 肺から吸収された薬物は、肝初回通過効果を受けない。
肺から吸収された薬物は、直接全身循環血に移行するため、
肝臓での初回通過効果を受けない。
◆ dについて
d ○ 直腸下部の粘膜から吸収された薬物は、肝初回通過効果を受けない。
直腸中下部から吸収される薬物は、
その多くが門脈を通らずに全身循環静脈血に入るため、
肝初回通過効果を受けない。