界面活性剤に関する記述 84回薬剤師国家試験問171

84回薬剤師国家試験 問171
界面活性剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

a 界面活性剤とは、溶液の表面張力を大きくする物質である。
b 塩化ベンザルコニウムは、陽イオン性界面活性剤である。
c 油中に存在するミセルでは、疎水基が中央部に集まる。
d 非イオン性界面活性剤の水への溶解度は、曇点以上の温度で減少する。

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84回薬剤師国家試験 問171 解答解説

 

◆ aについて
a × 界面活性剤とは、溶液の表面張力を大きくする物質である。
→ 〇 界面活性剤とは、溶液の表面張力を小さくする物質である。

 

界面活性剤とは、親水性基と疎水性基を併せ持ち、
溶質として溶解させた時に特に溶液表面に吸着しやすく(正吸着しやすく)、
少量で溶液の表面張力を大きく低下させる物質である。
なお、溶質を溶媒に溶解させた時、溶質分子が溶液内部に向かうよりも表面に吸着しやすいことを正吸着と呼ぶが、界面活性剤は特に正吸着しやすい物質であるといえる。

 

 

◆ bについて
b 〇 塩化ベンザルコニウムは、陽イオン性界面活性剤である。

 

ベンザルコニウム塩化物は第四級アルキルアンモニウム塩の陽イオン性界面活性剤であり、
殺菌・消毒剤として用いられる。

 

油中に存在するミセル 84回薬剤師国家試験問171

 

陽イオン性界面活性剤については下記のリンク先を参照
陽イオン性界面活性剤(カチオン界面活性剤)の種類と例

 

 

◆ cについて
c × 油中に存在するミセルでは、疎水基が中央部に集まる。
→ 〇 油中に存在するミセルでは、親水基が中央部に集まる。

 

ミセルとは、水中において、界面活性剤同士が疎水性基を内側に向け、親油性基を外側に向けて集合した会合体である。
それに対して逆ミセルとは、油中(有機溶媒中)において、界面活性剤同士が親水性基を内側に向け、疎水性基を外側に向けて会合することにより形成されるミセルのことである。

 

油中に存在するミセル 84回薬剤師国家試験問171

 

 

◆ dについて
d 〇 非イオン性界面活性剤の水への溶解度は、曇点以上の温度で減少する。

 

非イオン性界面活性剤は、ある温度以上で水への溶解度が急激に低下する。この温度を曇点と呼ぶ。
非イオン性界面活性剤水溶液において、温度の上昇により水分子の熱運動が激しくなると、非イオン性界面活性剤分子と水分子との水素結合が切断され、親水性基の脱水和が起こり、ミセルの会合数が急増し、溶解度が低下すると考えられている。
曇点以上の温度では、溶けきれなくなった非イオン性界面活性剤の相分離が起こり、溶液は白濁する。

 

関連問題
曇点を有する界面活性剤はどれか 98回問52

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