界面活性剤溶液の表面吸着量・ミセル濃度の推移 85回薬剤師国家試験問170

85回薬剤師国家試験 問170
ある界面活性剤溶液の表面張力を測定して図に示す結果を得た。この図に関する次の記述の正誤について、正しいものはどれか。

 

界面活性剤溶液のミセル濃度と吸着量 85回薬剤師国家試験問170

 

a 界面活性剤のミセルとしての濃度はBで最大となる。
b BとCでは界面活性剤のミセルとしての濃度は同一である。
c 溶液表面への界面活性剤の吸着量は、AよりBの方が多い。
d BとCでは溶液表面への界面活性剤の吸着量はほぼ同一である。

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85回薬剤師国家試験 問170 解答解説
◆ a,bについて
a × 界面活性剤のミセルとしての濃度はBで最大となる。

 

b × BとCでは界面活性剤のミセルとしての濃度は同一である。
→ 〇 BとCでは界面活性剤のミセルとしての濃度はCの方が高い。

 

界面活性剤溶液のミセル濃度と吸着量 85回薬剤師国家試験問170

 

Bの界面活性剤濃度は界面活性剤分子がミセルを形成し始める濃度であり、
臨界ミセル濃度(cmc)と呼ばれる。
臨界ミセル濃度以降、界面活性剤濃度の上昇に伴い界面活性剤のミセルとしての濃度は上昇していく。
よって、BとCでは界面活性剤のミセルとしての濃度はCの方が高い。

 

 

◆ c,dについて
c 〇 溶液表面への界面活性剤の吸着量は、AよりBの方が多い。

 

d 〇 BとCでは溶液表面への界面活性剤の吸着量はほぼ同一である。

 

界面活性剤溶液のミセル濃度と吸着量 85回薬剤師国家試験問170

 

グラフのAからBにかけて界面活性剤濃度の上昇に伴い表面張力は低下しているが、
これは界面活性剤濃度の上昇に伴い界面活性剤の分子の表面への吸着量が増えていることを示す。
グラフのB以降、界面活性剤の濃度上昇に対して表面張力はほとんど変化せず一定となるが、
これはBで界面活性剤の溶液表面への吸着量は飽和したことを示す。

 

界面活性剤溶液のミセル濃度と吸着量 85回薬剤師国家試験問170

 

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