ソルビタンモノラウレートとソルビタンモノステアレートのHLB 94回薬剤師国家試験問171a
94回薬剤師国家試験 問171a
界面活性剤の性質に関する記述の正誤を判定してみよう。
a ソルビタンモノラウレートのHLB ( hydrophile-lipophile balance) 値は、ソルビタンモノステアレートのHLB値に比べて小さい。
94回薬剤師国家試験 問171a 解答解説
a × ソルビタンモノラウレートのHLB ( hydrophile-lipophile balance) 値は、ソルビタンモノステアレートのHLB値に比べて小さい。
→ 〇 ソルビタンモノラウレートのHLB ( hydrophile-lipophile balance) 値は、ソルビタンモノステアレートのHLB値に比べて大きい。
Hydrophile-Lipophile Balance(HLB:親水親油バランス)とは、
エマルションの乳化剤として用いられる非イオン性界面活性剤の親水性基と疎水性基のバランスを表す尺度である。
HLBが大きいほど界面活性剤の親水性が高く、
HLBが小さいほど界面活性剤の親油性(疎水性)が高いことを示す。
非イオン性界面活性剤のソルビタン脂肪酸エステル(Span系)は、
脂肪酸部分の炭化水素基が大きいほど疎水性が大きく、HLBの値は小さくなる。
ラウリル酸(ドデシル酸)は炭素数12の飽和脂肪酸であり、
ステアリン酸は炭素数18の飽和脂肪酸である。
ソルビタンモノラウレートとソルビタンモノステアレートの構造は下記の通り。
したがって、ソルビタンモノステアレートはソルビタンモノラウレートよりも炭化水素基が大きく疎水性が高いので、ソルビタンモノステアレートはソルビタンモノラウレートよりもHLB値が小さい。