界面活性剤水溶液の濃度と表面張力 99回薬剤師国家試験問175の2
99回薬剤師国家試験 問175の2
界面活性剤に関する記述の正誤を判定してみよう。
2 界面活性剤水溶液の表面張力は、臨界ミセル濃度以上で急激に低下する。
99回薬剤師国家試験 問175の1 解答解説
2 × 界面活性剤水溶液の表面張力は、臨界ミセル濃度以上で急激に低下する。
→ 〇 界面活性剤水溶液の表面張力は、臨界ミセル濃度以上では一定となる。
臨界ミセル濃度(cmc)に達する前に水相表面の界面活性剤は飽和しているので、
臨界ミセル濃度以上では表面張力は一定となる。
以下、詳細
界面活性剤水溶液の表面張力について、
水相表面の界面活性剤が飽和するまでは、
界面活性剤濃度が上昇すると、
水相表面の界面活性剤の濃度は上昇し、
それに伴い表面張力は急激に低下する。
その後、水相表面の界面活性剤が飽和すると、
それ以降、界面活性剤の濃度が上昇しても表面張力は変化せず一定となる。
表面の界面活性剤が飽和した後、さらに界面活性剤の濃度が上昇すると、
水中で界面活性剤はミセルを形成するようになる。
ミセル形成が始まる濃度域を臨界ミセル濃度(cmc)と呼ぶ。
臨界ミセル濃度(cmc)に達する前に水相表面の界面活性剤は飽和しているので、
臨界ミセル濃度以上では表面張力は一定となる。
下の図のV型のグラフが界面活性剤水溶液の表面張力と濃度の関係を示す。