界面活性剤水溶液の物理化学的性質の濃度による変化 89回薬剤師国家試験問167
89回薬剤師国家試験 問167
次の図は、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)水溶液の物理化学的性質の濃度による変化を示したものである。A〜Cに該当する物理化学的性質の正しい組合せはどれか。
89回薬剤師国家試験 問167 解答解説
正解は3である。
A:b洗浄力
B:a表面張力
C:c当量電導度
・表面張力
界面活性剤水溶液の表面張力について、
臨界ミセル濃度(cmc)までは界面活性剤濃度の上昇に対して表面張力は急激に低下し、
臨界ミセル濃度以上ではほぼ一定となる。
関連問題
界面活性剤水溶液の濃度と表面張力 99回問175の2
・洗浄力
洗浄力は臨界ミセル濃度(cmc)までは濃度の上昇に対して急上昇し、臨界ミセル濃度で最大となり、
臨界ミセル濃度以上ではほぼ一定となる。
・電気伝導度
溶液の電気のモル伝導率とは、溶質1mol当たりの電気伝導率である。
界面活性剤水溶液の当量伝導度(モル伝導率)は、
界面活性剤の臨界ミセル濃度(cmc)以上で急激に低下する。
これはミセル表面に対イオンが結合するためと考えられている。
関連問題
界面活性剤水溶液の電気伝導度 97回問175の2
界面活性剤水溶液の各物理化学的性質の濃度に対する推移は下記の通り。
また、界面活性剤水溶液の疎水性物質の可溶化能について、
界面活性剤がミセルを形成すれば、
疎水性の物質をミセルの中に取り込んで溶解させることができるようになるため、
臨界ミセル濃度(cmc)以上で可溶化能は急激に上昇する。