97回薬剤師国家試験問279 油脂性基剤
97回薬剤師国家試験 問279
医薬品として未承認のヒドロキノンの軟膏剤を院内製剤として調製してほしいと、皮膚科の医師から薬剤部に依頼があった。
薬剤部で油脂性基剤を用いて調製することになった。基剤として、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 バニシングクリーム
2 コールドクリーム
3 マクロゴール軟膏
4 プラスチベース
5 白色ワセリン
97回薬剤師国家試験 問279 解答解説
油脂性基剤は、
4のプラスチベースと5の白色ワセリンである。
プラスチベースとは、流動パラフィンを95%,ポリエチレンを5%の割合で混合したものであり、
無色?微黄色半透明の軟膏様の油脂性基剤である。
プラスチベースは、ワセリンよりも伸びがよく、温度変化によって硬さが変化しにくいのが特徴である。
白色ワセリンとは、石油から得られる炭化水素類の半固形混合物を精製し、脱色したものであり、
白色?微黄色の軟膏様の油脂性基剤である。
以下、他の選択肢について
1のバニシングクリームは水中油型(o/w型)の乳剤性基剤であり、
擦り込むと簡単に白さが消えるため、「バニシングクリーム」とよばれる。
2のコールドクリームは水相のある油中水型(w/o型)の乳剤性基剤であり、
皮膚に塗布して伸ばすと冷却作用があるため、「コールドクリーム」とよばれる。
冷却作用は基剤中の水分が蒸発する際の気化熱によるものと考えられている。
3のマクロゴール軟膏は水溶性基剤であり、
マクロゴール4000を50%、マクロゴール400を50%で混合したものである。
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