ハルナールD錠 口腔内崩壊錠に関する記述 100回薬剤師国家試験問285

100回薬剤師国家試験 問285
70歳男性。1年ほど前から夜間頻尿、残尿感を認めていたので、近くの泌尿器科を受診した。前立腺肥大症と診断され、以下の薬剤が処方された。

 

口腔内崩壊錠に関する記述 100回薬剤師国家試験問285

 

問285(薬剤)
処方された口腔内崩壊錠に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 錠剤表面が、水不溶性高分子でコーティングされている。
2 錠剤表面が、腸溶性高分子でコーティングされている。
3 口腔粘膜からの薬物吸収を期待した製剤である。
4 滑沢剤として、ステアリン酸塩が添加されている。
5 水に溶け易い糖類が、添加されている。

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100回薬剤師国家試験 問285 解答解説

 

◆ 1について
1 × 錠剤表面が、水不溶性高分子でコーティングされている。

 

2 × 錠剤表面が、腸溶性高分子でコーティングされている。

 

口腔内崩壊錠は、口腔内で唾液により速やかに崩壊する錠剤である。
よって、口腔内崩壊錠の錠剤表面が水不溶性高分子や腸溶性高分子でコーティングされることはない。

 

ハルナールD錠は、口腔内崩壊錠の錠剤に有効成分を含む徐放性微粒子が分散された製剤である。
徐放性微粒子は、薬物の放出を制御するために水不溶性高分子や腸溶性高分子でコーティングされている。

 

 

◆ 3について
3 × 口腔粘膜からの薬物吸収を期待した製剤である。

 

口腔内崩壊錠では、有効成分は主に小腸から吸収される。

 

 

◆ 4について
4 〇 滑沢剤として、ステアリン酸塩が添加されている。

 

ステアリン酸マグネシウムやステアリン酸カルシウムなどのステアリン酸塩は滑沢剤として頻用される。
ハルナールD錠には、滑沢剤として、ステアリン酸カルシウムが添加されている。

 

 

◆ 5について
5 〇 水に溶け易い糖類が、添加されている。

 

口腔内崩壊錠の製剤化において、
乳糖などの水に溶け易い糖類を添加することにより、
口腔内崩壊性を与えたり、服用時の不快味をマスキングすることが期待される。

 

 

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