薬剤師国家試験過去問題集 製剤の種類と特性

リドカインテープ 102回薬剤師国家試験問282-283

102回薬剤師国家試験 問282−283
病棟で、患者からある訴えがあり、医師が以下の処方を追加した。

 

リドカインテープ 102回薬剤師国家試験問282-283

 

102回薬剤師国家試験 問282(実務)
本剤が追加されるに至った患者の訴えとして考えられるのはどれか。1つ選びなさい。
1 穿刺痛
2 褥瘡の痛み
3 動悸
4 腰痛
5 術後痛

 

102回薬剤師国家試験 問283(薬剤)
本剤に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選びなさい。
1 支持体に展延された薬物を含む膏体が、ライナーで被覆されている。
2 多くの水を保持した基剤を用いた貼付剤である。
3 皮膚に適用する製剤の放出試験法に適合する。
4 粘着力試験法により、皮膚への粘着性が評価されている。
5 全身作用を期待した製剤である。

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102回薬剤師国家試験 問282(実務) 解答解説

 

リドカインテープ 102回薬剤師国家試験問282-283

 

本剤が追加されるに至った患者の訴えとして考えられるのは、
1の穿刺痛である。

 

リドカインテープの効能効果,および,用法用量は下記の通り。

 

1.静脈留置針穿刺時の疼痛緩和
本剤を1回1枚、静脈留置針穿刺予定部位に約30分間貼付する。

 

2.伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和
通常、小児には本剤1回2枚までを、伝染性軟属腫摘除予定部位に約1時間貼付する。

 

3.皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和
通常、成人には本剤1回6枚まで、小児には下記枚数までを、
レーザー照射予定部位に約1時間貼付する。

 

本問では、静脈留置針穿刺時の疼痛緩和で使用されると考えられる。

 

 

102回薬剤師国家試験 問283(薬剤) 解答解説

 

◆ 1について
1 〇 支持体に展延された薬物を含む膏体が、ライナーで被覆されている。

 

膏体とは有効成分,基剤,その他の添加物を混和して均質としたものであり、
貼付剤に必要な粘着力を持つ。
一般に、貼付剤は、支持体に膏体が展延され、膏体はライナーと呼ばれるフィルムで保護された構成となっている。

 

 

◆ 2について
2 × 多くの水を保持した基剤を用いた貼付剤である。

 

リドカインテープはテープ剤である。
テープ剤は,ほとんど水を含まない基剤を用いる貼付剤である。

 

パップ剤は,水を含む基剤を用いた貼付剤である。

 

 

◆ 3,4について
3 〇 皮膚に適用する製剤の放出試験法に適合する。
4 〇 粘着力試験法により、皮膚への粘着性が評価されている。

 

貼付剤は,皮膚に適用する製剤の放出試験法,および,粘着力試験法に適合すると規定されている。
さらに,貼付剤のうち,経皮吸収型製剤は,製剤均一性試験法に適合すると規定されている。

 

皮膚に適用する製剤の放出試験法は,皮膚に適用する製剤からの医薬品の放出性を測定する方法を示し,放出試験規格に適合しているかどうかを判定するために使われる。

 

粘着力試験法は,貼付剤の粘着力を測定する方法である。

 

 

◆ 5について
5 × 全身作用を期待した製剤である。

 

リドカインテープは貼付する局所での疼痛緩和を期待した製剤である。

 

 

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