滲出液が多い創部に適する外用基剤 104回薬剤師国家試験問280
104回薬剤師国家試験 問280
80歳女性。老人福祉施設に入所中に仙骨部に褥瘡を認めた。経過を観察していたが、改善しなかったため、褥瘡の治療目的で入院となった。入院当初、創部は滲出液が多く、黒色の壊死組織を伴っていた。
患者の創部に塗布する外用剤の基剤として最も適しているのはどれか。1つ選びなさい。
1 白色ワセリン
2 単軟膏
3 流動パラフィン
4 サラシミツロウ
5 マクロゴール軟膏
104回薬剤師国家試験 問280 解答解説
正解は5のマクロゴール軟膏である。
褥瘡の塗り薬の選択について、患部に滲出液が多い場合は、吸水性の高い水溶性基剤をベースとする薬剤を選択する。
水溶性基剤としては、マクロゴール(軟膏),カデキソマー等の吸水ポリマー,白糖等がある。
マクロゴールについては下記のリンク先を参照
マクロゴール 90回問175
他の選択肢の基剤(白色ワセリン、単軟膏、流動パラフィン、サラシミツロウ)は、
全て油脂性基剤である。
油脂性基剤は吸水性に乏しいため、
一般に滲出液の多い患部には用いられない。
白色ワセリンとは、石油から得られる炭化水素類の半固形混合物を精製し、脱色したものであり、
白色?微黄色の軟膏様の油脂性基剤である。
単軟膏とは、ミツロウ,ダイズ油を主体に、
添加物として抗酸化剤のジブチルヒドロキシトルエンを含有する油脂性基剤である。
関連問題
単軟膏と白色軟膏 107回問181の1
流動パラフィンとは、原油や石油の潤滑油留分を精製して得られる無色透明の液体であり、
炭化水素類の混合物である。
サラシミツロウとはミツバチの巣から得たロウ(ミツロウ)を漂白したものである。
ミツロウの組成は、おおまかに脂肪酸エステルが70%,遊離脂肪酸が15%,炭化水素が10%である。
ミツロウに含まれる脂肪酸エステルは大部分がパルミチン酸のエステルである。
★ 他サイトさんの解説リンク
104回問280(e-RECさん)