吸入粉末剤に関する記述 108回薬剤師国家試験問52
108回薬剤師国家試験 問52
吸入粉末剤に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選びなさい。
1 定量噴霧式である。
2 固体粒子のエアゾールとして吸入する。
3 噴射剤が充填されている。
4 容器は、通例、密封容器とする。
5 ネブライザーが適用される。
108回薬剤師国家試験 問52 解答解説
日本薬局方において、吸入粉末剤(Dry Powder Inhalers:DPI)は、
“吸入量が一定となるように調製された固体粒子のエアゾールとして吸入する製剤”と定義されている。
1 × 定量噴霧式である。
定量噴霧式の吸入剤は、吸入エアゾール剤(Metered-Dose Inhalers:MDI)である。
2 〇 固体粒子のエアゾールとして吸入する。
3 × 噴射剤が充填されている。
噴射剤が充填されているのは、吸入エアゾール剤(MDI)である。
4 × 容器は、通例、密封容器とする。
吸入粉末剤(DPI)の容器は、通例、密閉容器とする。
吸入エアゾール剤(MDI)の容器は、通停、密封容器とする。
5 × ネブライザーが適用される。
ネブライザーとは液状の薬剤を霧状にする装置のことである。
ネブライザーが適用されるのは吸入液剤である。
以下、吸入剤についての解説
◆ 吸入粉末剤(Dry Powder Inhalers:DPI)について
日本薬局方において、吸入粉末剤は、“吸入量が一定となるように調製された固体粒子のエアゾールとして吸入する製剤”と定義されている。
吸入粉末剤は、粉末の薬剤が吸入器に充填された製剤であり、患者の吸気で吸入し、
吸気により薬物粒子が分散されエアゾールとなる仕組みとなっている。
吸入粉末剤は、日本薬局方において、吸入剤の空気力学的粒度測定法に適合するよう規定されている。
定量吸入式の吸入粉末剤は、日本薬局方において、吸入剤の送達量均一性試験法に適合するよう規定されている。
吸入粉末剤に用いる容器は、日本薬局方において、
“通例、密閉容器とする.製剤の品質に湿気が影響を与える場合は,防湿性の容器を用いるか,又は防湿性の包装を施す”と規定されている。
◆ 吸入エアゾール剤(Metered-Dose Inhalers:MDI)について
日本薬局方において、吸入エアゾール剤は、“容器に充てんした噴射剤と共に、一定量の有効成分を噴霧する定量噴霧式吸入剤”と定義されている。
吸入エアゾール剤は、加圧されて液状となった噴射剤に薬剤を溶解または懸濁し、耐圧性の容器に充填し、定量バルブを装着した製剤である。
吸入エアゾール剤は、容器のボンベを押すと噴射口から霧状の薬剤が一定量噴霧され、それを吸入する。
吸入エアゾール剤は、日本薬局方において、吸入剤の空気力学的粒度測定法、および、送達量均一性試験法に適合するよう規定されている。
吸入エアゾール剤の容器には、耐圧性の密封容器が用いられる。
◆ 吸入液剤(Inhalation Liquids and Solutions)について
吸入液剤は,“ネブライザなどにより適用する液状の吸入剤”と定義されている。
吸入液剤の容器は,通例,気密容器とする.製剤の品質に水分の蒸散が影響を与える場合は,低水蒸気透過性の容器を用いるか,又は低水蒸気透過性の包装を施す.
吸入液剤で多回投与容器に充?するものは,微生物の発育を阻止するに足りる量の適切な保存剤を加えることができる.
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