薬剤師国家試験過去問題集 製剤の種類と特性

ジアゼパム注射剤のコソルベンシーとコソルベント 106回薬剤師国家試験問181の4,5

106回薬剤師国家試験 問181の4,5
表は、ジアゼパム注射剤の組成と性状を示す。

 

コソルベンシーとコソルベント 薬学106回問181の4,5

 

本剤に関する下記の記述の正誤を判定してみよう。
4 プロピレングリコールと無水エタノールは、コソルベントとして添加されている。
5 本剤は、著しく高張であるため、生理食塩液で希釈して使用する必要がある。

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106回薬剤師国家試験 問181の4,5 解答解説

 

◆ 4について
4 〇 プロピレングリコールと無水エタノールは、コソルベントとして添加されている。

 

薬物が単独の溶媒に溶けにくい場合、補助溶媒を添加すると溶解度が増大することがある。
この現象をコソルベンシーと呼び、添加される補助溶媒をコソルベントと呼ぶ。
コソルベンシーによる溶解性改善の原理として、1つの溶媒が薬物と複合体を形成し、この複合体が他の溶媒に溶解すると考えられている。
ジアゼパム注射剤において、プロピレングリコールと無水エタノールは、コソルベント(補助溶媒)として添加されており、水に難溶性のジアゼパムの溶解性を高めている。

 

 

◆ 5について
5 × 本剤は、著しく高張であるため、生理食塩液で希釈して使用する必要がある。

 

ジアゼパム注射剤を生理食塩液などで希釈すると、
コソルベントの濃度が低下し、ジアゼパムの溶解度が低下して析出する。
そのため、ジアゼパム注射剤は希釈せずに単独で使用する。
なお、ジアゼパム注射剤は高張であるため、筋肉内または静脈内に、できるだけ緩徐に注射する。
静脈内に注射する場合には、なるべく太い静脈を選んで、できるだけ緩徐に(2分間以上をかけて)注射する。

 

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