日本薬局方における注射剤 108回薬剤師国家試験問180
108回薬剤師国家試験 問180
日本薬局方における注射剤に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 非水性溶剤として、ダイズ油を用いることができる。
2 水性溶剤は、エンドトキシン試験法と発熱性物質試験法の両方に適合する。
3 等張化剤として、ホウ酸を加えることができる。
4 乳濁性注射剤は、製剤均一性試験法に適合する。
5 埋め込み注射剤には、通例、生分解性高分子化合物を用いる。
108回薬剤師国家試験 問180 解答解説
◆ 1について
1 〇 非水性溶剤として、ダイズ油を用いることができる。
注射剤の非水性用剤について、
油性注射剤の溶剤には,通例,植物油を用いる.
また、注射剤の非水性用剤について、
親水性注射剤の溶剤には,通例,エタノールやプロピレングリコールなど水に混和する有機溶剤を用いる。
◆ 2について
2 × 水性溶剤は、エンドトキシン試験法と発熱性物質試験法の両方に適合する。
注射剤及び添付された溶解液などは,皮内,皮下及び筋肉内投与のみに用いるものを除き,別に規定するもののほか,エンドトキシン試験法に適合する.
ただし,エンドトキシン試験法の適用が困難な場合は,発熱性物質試験法を適用できる.
◆ 3について
3 × 等張化剤として、ホウ酸を加えることができる。
ホウ酸は溶血作用があるので注射剤の添加剤としては使用できない。
注射剤の等張化剤としては、主に塩化ナトリウム,ブドウ糖,グリセリンが用いられる。
◆ 4について
4 × 乳濁性注射剤は、製剤均一性試験法に適合する。
製剤均一性試験法は、錠剤,カプセル剤,散剤・顆粒剤・液剤の分包品,坐剤,膣剤,貼付剤の経皮吸収型製剤,アンプル入り注射剤等、1個で1回服用量又は複数個で1回服用量の有効成分を含有する製剤に対し、有効成分含量の均一性を保証するものである。
注射剤で製剤均一性試験法が適用されるのは、用時溶解または用時懸濁して用いる注射剤と埋め込み型注射剤である。
よって、乳濁性注射剤は、製剤均一性試験法に適合する必要はない。
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◆ 5について
5 〇 埋め込み注射剤には、通例、生分解性高分子化合物を用いる。
日本薬局方製剤総則において、埋め込み注射剤について下記の規定がある。
「埋め込み注射剤は,長期にわたる有効成分の放出を目的として,皮下,筋肉内などに埋め込み用の器具を用いて,又は手術により適用する固形又はゲル状の注射剤である.
本剤を製するには,通例,生分解性高分子化合物を用い,ペレット,マイクロスフェア又はゲル状の製剤とする.」
埋め込み型注射剤に用いられる生分解性高分子化合物として、乳酸・グリコール酸共重合体などがある。
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