メトトレキサートの作用機序と葉酸代謝

本ページでは、メトトレキサートの作用機序と葉酸代謝の関係について説明しています。

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 メトトレキサート(MTX)はジヒドロ葉酸を還元してテトラヒドロ葉酸にするジヒドロ葉酸還元酵素(dihydrofolate reductase:DHFR)の働きを阻害し、活性型葉酸の生成を抑制することで、チミジル酸合成及びプリン合成系を阻害して細胞増殖を抑制する。
メトトレキサートは関節リウマチ,関節炎,乾癬,がんの治療に用いられる。

 

メトトレキサートの作用機序と葉酸代謝 薬理 薬学

 

 

メトトレキサートの作用機序と葉酸代謝 薬理 薬学

 

 

・メトトレキサート投与中の葉酸欠乏症防止のための葉酸投与の用法用量
メトトレキサート(MTX)投与で活性型葉酸の生成が抑制されて生じる副作用を防止するため(葉酸欠乏症を防止するため)、葉酸製剤が投与される。

 

一般に、MTX投与中の関節リウマチ患者においては、葉酸製剤5mg/週以下を,MTX最終投与後24〜48時間後に投与する。
葉酸製剤は通常,フォリアミンを使用する。

 

メトトレキサートの作用機序と葉酸代謝 薬理 薬学

 

 

・メトトレキサートによる副作用発現時は活性型葉酸製剤のホリナート(ロイコボリン)投与
 メトトレキサート投与で、骨髄抑制,肝機能障害,粘膜・消化管障害等の細胞毒性に起因する副作用が発現した場合には、活性型葉酸製剤のホリナート(ロイコボリン)を投与する。注射のメトトレキサートの場合は、注射のホリナート(ロイコボリン注)を投与。
ホリナート(ロイコボリン)は活性型葉酸の前駆体であり、メトトレキサートが作用する酵素に関与せず、細胞の葉酸プールに取り込まれ、活性型葉酸(5, 10-methylene tetrahydrofolate等)となり、細胞の核酸合成を再開させる。

 

メトトレキサートの作用機序と葉酸代謝 薬理 薬学

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