セフジニル 鉄剤との併用,尿・便が赤色に 103回薬剤師国家試験問211

103回薬剤師国家試験 問211
6歳男児。体重20kg。身長120cm。扁桃炎と診断され、この男児の処方箋を、母親が薬局に持参した(処方1)。

 

セフジニル 鉄剤との併用,尿・便が赤色に 103回薬剤師国家試験問211

 

セフジニル細粒10%の添付文書には、「通常、小児に対してセフジニルとして1日量9〜18mg(力価)/kgを3回に分割して経口投与する」と記載されている。お薬手帳を確認したところ、男児は鉄欠乏性貧血で溶性ピロリン酸第二鉄を服用していることが判明した(処方2)。

 

セフジニル 鉄剤との併用,尿・便が赤色に 103回薬剤師国家試験問211

 

問211
本症例に対し、薬剤師が行う対応の中で適切なのはどれか。2つ選びなさい。
1 セフジニル細粒10%の投与量について医師に疑義照会する。
2 セフジニル細粒10%からレボフロキサシン水和物製剤への処方変更を医師に提案する。
3 セフジニル細粒10%は鉄剤と一緒に服用するように指導する。
4 症状が途中で改善したら服用を終了するように指導する。
5 尿や便が赤色調を呈することがあると説明する。

 

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103回薬剤師国家試験 問211 解答解説
◆ 1について
1 〇 セフジニル細粒10%の投与量について医師に疑義照会する。

 

問題文に、セフジニル細粒10%の添付文書には、「通常、小児に対してセフジニルとして1日量9〜18mg(力価)/kgを3回に分割して経口投与する」と記載されているとある。

 

患者の体重は20kgであるので、セフジニルとして1日量180〜360mgを3回に分割して経口投与することになる。
本問の小児に対する処方は下記の通り。

 

セフジニル 鉄剤との併用,尿・便が赤色に 103回薬剤師国家試験問211

 

セフジニル細粒10%のセフジニルの含量は100mg/gであるため、
添付文書に従うと、本患者に対するセフジニル細粒10%の投与は1日量1.8〜3.6gを3回に分割して経口投与することになる。

 

よって、処方1のセフジニルの投与量は添付文書上の用法用量より少ないため、疑義照会の対象である。

 

 

◆ 2,3について
2 × セフジニル細粒10%からレボフロキサシン水和物製剤への処方変更を医師に提案する。

 

3 × セフジニル細粒10%は鉄剤と一緒に服用するように指導する。

 

本患者は溶性ピロリン酸第二鉄シロップ(インクレミンシロップ)を毎食後に服用中であるが、
セフジニル(セフゾン)と鉄剤を同時服用すると、腸管内でセフジニルは鉄イオンに配位し、キレートを形成する。この錯体はほとんど吸収されないため、セフジニルの吸収を約10分の1まで阻害する。
そのため、セフジニルと鉄剤との併用は避けることが望ましい。やむを得ず併用する場合には、セフジニルの投与後3時間以上間隔をあけて鉄剤を投与する。

 

他の抗菌薬について、
レボフロキサシンなどのニューキノロン系抗菌薬,および,テトラサイクリン系抗菌薬も、金属イオンとキレートを形成し、吸収が低下する。
そのため、これらの抗菌薬と金属を含む製剤は、同時服用を避け、抗菌薬投与から2時間以上空けて金属を含む製剤を投与することになる。

 

レボフロキサシン水和物(クラビット)の経口剤の添付文書には、アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸薬等、鉄剤との併用について、これらの薬剤とキレートを形成し、本剤の吸収が低下すると考えられている。同時服用により本剤の効果が減弱されるおそれがあるため、これらの薬剤は本剤投与から1〜2時間後に投与する、と記載がある。

 

セフジニル 鉄剤との併用,尿・便が赤色に 103回薬剤師国家試験問211

 

ミノサイクリン塩酸塩(ミノマイシン)の経口剤の添付文書には、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ランタン又は鉄剤との併用について、
本剤と二価又は三価の金属イオンが消化管内で難溶性のキレートを形成して、本剤の吸収を阻害し、効果が減弱されるおそれがあるため、両剤の服用間隔を2〜4時間とするよう記載がある。

 

セフジニル 鉄剤との併用,尿・便が赤色に 103回薬剤師国家試験問211

 

 

◆ 4について
4 × 症状が途中で改善したら服用を終了するように指導する。

 

一般に、処方された抗菌薬は飲み切る。
その理由として、症状が改善しても細菌が残っており、それらが抗菌薬に対して耐性を獲得してしまう恐れがあることが挙げられる。

 

 

◆ 5について
5 〇 尿や便が赤色調を呈することがあると説明する。

 

セフジニル(セフゾン)の服用により、尿が赤色調を呈することがある(原因不明)。

 

また、粉ミルク、経腸栄養剤など鉄添加製品との併用により、便が赤色調を呈することがある。こちらは、腸管内でセフジニルと鉄イオンが錯体を形成して赤色を呈している説が有力である。

 

 

★他サイトさんの解説へのリンク
103回問210,211(e-RECさん)

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