エリスロシンドライシロップ 97回薬剤師国家試験問284,285

97回薬剤師国家試験 問284−285
70 歳男性。マイコプラズマ肺炎の治療のため、以下の薬剤が処方された。

 

97回薬剤師国家試験問284,285 エリスロシンドライシロップのプロドラッグ化の目的

 

問284(実務)
両薬剤をそれぞれ秤量した後、分包する方法として、最も適切なのはどれか。1つ選びなさい。
1 乳鉢と乳棒を用いて混和し、分包する。
2 乳鉢とスパーテルを用いて混和し、分包する。
3 混和せずに2段分割(2度撒き)で分包する。
4 混和せずに別々に分包する。

 

問285(薬剤)
エリスロシンドライシロップはプロドラッグ製剤である。この場合のプロドラッグ化の目的として、正しいのはどれか。1つ選びなさい。
1 胃内での溶解性の向上
2 胃内での分解の抑制
3 小腸粘膜透過性の改善
4 肝初回通過効果の回避
5 細菌内への取り込みの促進

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97回薬剤師国家試験 問284(実務) 解答解説

 

97回薬剤師国家試験問284,285 エリスロシンドライシロップのプロドラッグ化の目的

 

両薬剤をそれぞれ秤量した後、分包する方法として、最も適切なのは、
選択肢4の「混和せずに別々に分包する」である。
ドライシロップは、水に用時溶解または懸濁して服用する製剤であるため、
単独で分包する。

 

 

97回薬剤師国家試験 問285(薬剤) 解答解説

 

エリスロシンドライシロップのプロドラッグ化の目的として、正しいのは、選択肢2の「胃内での分解の抑制」である。
エリスロシンドライシロップは、エリスロマイシンエチルコハク酸エステル製剤であり、体内でエステル結合が加水分解され、エリスロマイシンとして作用するプロドラッグである。
エリスロマイシンエチルコハク酸エステルは、胃酸で分解しやすいエリスロマイシンをエチルコハク酸エステルとすることで、胃酸に対する安定性を向上させ、胃内での分解の抑制を図っている。
エリスロマイシンエチルコハク酸エステルは、エリスロマイシンに比べて胃内での溶解性は低下している。

 

97回薬剤師国家試験問284,285 エリスロシンドライシロップのプロドラッグ化の目的

 

エリスロマイシンは胃酸で分解しやすいため、胃内での分解の抑制を目的として様々なタイプの製品が販売されている。
エリスロシン錠はエリスロマイシンステアリン酸塩製剤、
エリスロシンドライシロップ,エリスロシンW顆粒はエリスロマイシンエチルコハク酸エステル製剤、
エリスロマイシン錠「サワイ」はエリスロマイシン腸溶錠である。

 

関連問題
エリスロマイシンエチルコハク酸エステルは水溶性が増大している? 87回問172e

 

 

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