温度変化に対する平衡の移動 102回薬剤師国家試験問91の3
102回薬剤師国家試験 問91の3
以下の化学反応式における熱力学的パラメータに関する記述の正誤を判定してみよう。
ただし、この反応における温度をT 、反応速度定数をk1,k2とする。また、気体定数をR とする。
3 僣 °が正のときは吸熱反応となり、温度を上げると平衡が左にずれる。
102回薬剤師国家試験 問91の3 解答解説
3 × 僣°が正のときは吸熱反応となり、温度を上げると平衡が左にずれる。
→ 〇 僣°が正のときは吸熱反応となり、温度を上げると平衡が右にずれる。
系の状態変化とエンタルピー変化(僣)の符号の関係は下記の通り。
系のエネルギーが減少する場合(発熱):僣<0
系のエネルギーが増加する場合(吸熱):僣>0
設問の可逆反応について、
正反応の標準エンタルピー変化が正の値( H°>0)の場合、
正反応(右方向)は吸熱反応であり、
逆反応(左方向)は発熱反応であると考えられる。
この可逆反応が平衡状態にあるとき、
温度が上昇すると、
熱を吸収して温度を低下させる方向の変化が進むため、
右方向の吸熱反応が進む(平衡が右にずれる)。