示量性状態関数と示強性状態関数 107回薬剤師国家試験問93の2,3
107回薬剤師国家試験 問93の2,3
状態関数と経路関数に関する記述の正誤を判定してみよう。
2 温度は示量性の状態関数である。
3 エンタルピーは示強性の状態関数である。
107回薬剤師国家試験 問93の2,3 解答解説
2 × 温度は示量性の状態関数である。
→ 〇 温度は示強性の状態関数である。
3 × エンタルピーは示強性の状態関数である。
→ 〇 エンタルピーは示量性の状態関数である。
状態関数とは、系の状態が定まると一義的に決まり、
その変化量は、系が変化する際の経路や過程に依存せず、
始状態と終状態のみによって決まる物理量である。
状態関数には、
示量性状態関数と示強性状態関数がある。
★ 示量性状態関数
系の量や大きさを示す状態関数を示量性状態関数と呼ぶ。
示量性状態関数の値は、系の量や大きさに依存し、加成性を持つ(加成性を持つとは、数値の足し算ができるということ)。
示量性状態関数として、
体積,質量,物質量,内部エネルギー(U),エンタルピー(H),エントロピー(S),ギブズエネルギー(G)などがある。
各状態関数については下記のリンク先を参照
内部エネルギーとは
★ 示強性状態関数
系の強さを示す状態関数を示強性状態関数と呼ぶ。
示強性状態関数の値は、系の量や大きさに依存せず、加成性を持たない。
また、単位体積当たりの値,単位物質量当たりの値というように単位〇〇当たりの〜として表される状態関数は系の強さを表し、示強性状態関数に分類される。
示強性状態関数として、
温度,圧力,濃度,密度,化学ポテンシャル,
モルエンタルピー(1mol当たりのエンタルピー),
モルエントロピー(1mol当たりのエントロピー)などがある。
化学ポテンシャルについては下記のリンク先を参照
化学プテンシャルとは