熱力学的パラメータに関する記述 88回薬剤師国家試験問18

88回薬剤師国家試験 問18
熱力学的パラメータに関する記述の正誤について、正しいものはどれか。

 

a 絶対温度Tにおいて状態AとBが平衡にあるとき、その平衡定数Kは、両状態の標準ギブズ自由エネルギー差僭゜によって決まる。ただし、僭゜= −RT lnKの関係がある。Rは気体定数である。

 

b いくつかの温度で測定した平衡定数から、反応の標準エンタルピー変化を求めることができる。
c XからYが生成するときの反応速度定数kは、 exp(−Ea/RT)に比例する。ただし、厳密には測定温度範囲が狭いときに限られる。Eaは一般に活性化エネルギーといわれる。

 

d ギブズ自由エネルギーはエントロピーとエンタルピーの関数であり、温度には依存しない。

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88回薬剤師国家試験 問18 解答解説

 

◆ aについて
a 〇 絶対温度Tにおいて状態AとBが平衡にあるとき、その平衡定数 Kは、両状態の標準ギブズ自由エネルギー差僭゜によって決まる。ただし、僭゜= −RT ln Kの関係がある。Rは気体定数である。

 

 

◆ bについて
b 〇 いくつかの温度で測定した平衡定数から、反応の標準エンタルピー変化を求めることができる。

 

詳細は下記のリンク先を参照
ファントホッフプロットから標準反応エンタルピーを求められる 102回問91の2

 

 

◆ cについて
c 〇 XからYが生成するときの反応速度定数kは、 exp(−Ea/RT)に比例する。ただし、厳密には測定温度範囲が狭いときに限られる。Eaは一般に活性化エネルギーといわれる。

 

詳細は下記のリンク先を参照
反応速度定数はexp(−Ea/RT )に比例 102回問91の4

 

 

◆ dについて
d × ギブズ自由エネルギーはエントロピーとエンタルピーの関数であり、温度には依存しない。
→ 〇 ギブズ自由エネルギーは、エントロピー、エンタルピー及び温度の関数である。

 

★ ギブズエネルギー(G)の定義式
ギブズエネルギー(G)は
次式で定義される示量性状態関数である。

 

G = H − T・S
(H:エンタルピー T:絶対温度 S:エントロピー)

 

 

ギブズエネルギーについての関連問題
ギブスエネルギーと自発的な反応の方向と平衡 94回問18a

 

ギブズエネルギーの減少量は体積変化以外の最大仕事 94回問18c

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