ラマン散乱が観測されるためには 103回薬剤師国家試験問95の3

103回薬剤師国家試験 問95の3
下記の記述の正誤を判定してみよう。

 

3 ラマン散乱が観測されるためには、分子の振動によって双極子モーメントが変化する必要がある。

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103回薬剤師国家試験 問95の3 解答解説

 

3 × ラマン散乱が観測されるためには、分子の振動によって双極子モーメントが変化する必要がある。
→ 〇 ラマン散乱が観測されるためには、分子の振動によって分極率の変化が0にならないことが条件である。
→ 〇 赤外吸収が観測されるためには、分子の振動によって双極子モーメントが変化する必要がある。

 

物質による光の散乱について、
入射光と異なる振動数の光が散乱されることをラマン散乱という。
ラマン散乱が観測される時、入射光と散乱光とで振動数に差が生じているのだが、その差が生じる要因は様々であり、分子の振動はその差が生じる要因の1つである。
物質に電磁波が当たって分子が振動する際、分極率の変化が0にならないときラマン活性がある(ラマン散乱が観測される)。

 

なお、物質に電磁波が当たって分子が振動する際、双極子モーメントが変化するときに赤外活性がある。
よって、赤外吸収が観測されるためには、分子振動によって双極子モーメントが変化する必要がある。
関連問題
赤外吸収と分子振動による双極子モーメント変化 101回問203の2

 

 

なお、物質による光の散乱について、
入射光と同じ振動数の光が散乱されることをレイリー散乱といい、
入射光と異なる振動数の光が散乱されることをラマン散乱という。
詳細は下記のリンク先を参照
ラマン散乱 101回問95の3

 

レイリー散乱 101回問95の2

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