エンタルピーの定義,変化量の意味 物理系薬学
本ページでは、エンタルピーについて説明しています。
◆ エンタルピー(H)の定義式
エンタルピー(H)は
次式で定義される示量性状態関数である。
H = U + p・V
(U:内部エネルギー p:圧力 V:体積)
◆ 定圧条件下、エンタルピー変化(僣)は系に出入りする熱に等しい
定圧条件下、系の仕事が体積変化(膨張・収縮)に限られる場合、
エンタルピー変化(僣)は、系に出入りする熱(qp)に等しくなる。
よって、定圧条件下、エンタルピー変化(僣)について、
下記の式が成り立つ。
qp = 凾g = 儷 + p・儼
(添え字のpは定圧条件を表わす)
◆ 系の状態変化とエンタルピー変化(僣)の符号の関係
・系にエネルギーが加えられ、系のエネルギーが増加する場合、
エンタルピー変化の符号は正(+)となる。
よって、吸熱反応の僣の符号は+である。
系のエネルギーが増加する場合(吸熱):僣>0
・系がエネルギーを使う、または、系からエネルギーが出ていき、系のエネルギーが減少する場合、
エンタルピー変化の符号は負(−)となる。
よって、発熱反応の凾gの符号は−である。
系のエネルギーが減少する場合(発熱):僣<0
◆ エンタルピーと定圧熱容量
仕事が体積変化に伴う仕事(膨張・収縮)に限られる場合、
定圧条件下では、
僣 = qp であった。
このことから、
定圧条件下で物質の温度を1Kだけ上昇させるのに必要なエネルギー(定圧熱容量:Cp)は、
温度変化に対するエンタルピー変化に等しくなる。
よって、定圧熱容量とエンタルピーについて、
下記の式が成り立つ。