結晶多形の溶解度と溶解熱・温度の関係 91回薬剤師国家試験問168

91回薬剤師国家試験 問168
ある固体薬物の結晶多形であるI形とII形は互変二形の関係にある。ファントホッフ式から求めたI形の溶解熱は28 kJ/mol、II形の溶解熱は21 kJ/molであり、I形とII形の転移温度は83℃であった。次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、温度10℃から90℃の間で溶解熱は変化しないものとする。

 

a 37 ℃における溶解度はI形<II形である。
b 37 ℃における溶解度はI形>II形である。
c 37 ℃における溶解度はI形=II形である。
d 83 ℃における溶解度はI形=II形である。
e 90 ℃における溶解度はI形<II形である。

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91回薬剤師国家試験 問168 解答解説

 

T形とU形のファントホッフプロットは下の図のようになると考えられる。

 

結晶多形の溶解度と溶解熱・温度の関係 91回薬剤師国家試験問168

 

選択肢の正誤は下記の通り。
a 〇 37 ℃における溶解度はI形<II形である。
b × 37 ℃における溶解度はI形>II形である。
c × 37 ℃における溶解度はI形=II形である。
d 〇 83 ℃における溶解度はI形=II形である。
e × 90 ℃における溶解度はI形<II形である。
正しくは、90 ℃における溶解度はT形>II形である。

 

以下、詳細

 

 

平衡定数Kと温度Tとの関係を示す
ファントホッフプロットの式は下記の通り。

 

結晶多形の溶解度と溶解熱・温度の関係 91回薬剤師国家試験問168

 

A式より、温度の逆数(1/T)に対して溶解度の自然対数(lnX)をプロットすると(ファントホッフプロットと呼ぶ)、
傾き−僣/Rの直線が得られることになる。

 

問題文より、「I形の溶解熱は28 kJ/mol、II形の溶解熱は21 kJ/molであり、I形とII形の転移温度は83℃であった。温度10℃から90℃の間で溶解熱は変化しない」とある。
これより、設問の薬物のT形とU形のファントホッフプロットの直線は下の図のようになる。

 

結晶多形の溶解度と溶解熱・温度の関係 91回薬剤師国家試験問168

 

上図より、
83℃より低温における溶解度はU形>T形であり、
83℃における溶解度はT形=U形であり、
83℃より高温における溶解度はT形>U形である。

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