嚥下機能の評価のために連携すべき職種 111回薬剤師国家試験問88の解説
111回薬剤師国家試験 問88
服薬指導時に、頻繁に薬がのどに引っかかることを患者から聴取した。嚥下機能の評価のために、薬剤師が連携すべき職種として最も適しているのはどれか。
1つ選びなさい。
1 言語聴覚士
2 歯科技工士
3 臨床工学技士
4 ソーシャルワーカー
5 管理栄養士
111回薬剤師国家試験 問88 解答解説
嚥下機能の評価のために、
薬剤師が連携すべき職種として最も適しているのは、
選択肢1の言語聴覚士です。

以下で解説します。
服薬指導時に「薬がのどに引っかかる」「飲み込みにくい」といった訴えがある場合、
嚥下機能の低下が疑われます。
嚥下機能とは、食べ物・飲み物・薬などを
口から咽頭、食道へ安全に送り込む機能のことです。
言語聴覚士は、
英語でSpeech-Language-Hearing Therapist と表され、
略してSTと呼ばれることが多いです。
言語聴覚士(ST)は、
発声・構音・言語だけでなく、
摂食嚥下機能の評価や訓練を専門的に行う職種です。
そのため、薬剤師が嚥下機能の評価について連携すべき職種として最も適しています。
薬剤師としては、患者が錠剤やカプセルを飲み込みにくいと訴えた場合、
嚥下障害の可能性を考え、医師や言語聴覚士などに情報提供します。
また、必要に応じて、口腔内崩壊錠、散剤、液剤、貼付剤などへ
の剤形変更を医師に提案することもあります。
以下では他の選択肢について解説します。
2 歯科技工士
歯科技工士は、入れ歯、差し歯、クラウン、ブリッジ、矯正装置などを
作製・修理する職種です。
口の中に関係する職種なので、一見すると嚥下にも関係しそうに見えます。
しかし、歯科技工士の主な役割は、歯科医師の指示に基づいて補綴物を作ることです。
確かに、義歯が合わないと食べ物を噛みにくくなり、
結果的に嚥下に影響することはあります。
しかし、嚥下機能そのものを評価する専門職ではありません。
3 臨床工学技士
人工呼吸器、透析装置、人工心肺装置などの医療機器の操作・管理を行う職種です。
嚥下機能評価とは直接関係しません。
4 ソーシャルワーカー
患者や家族の生活上・経済上・社会制度上の相談支援を行う職種です。
嚥下機能そのものを評価する職種ではありません。
5 管理栄養士
栄養状態の評価、食事内容の調整、嚥下食の提案などで重要な役割を担います。
嚥下障害のある患者に対しては、管理栄養士も非常に重要な役割を担います。
例えば、以下のような支援があります。
・低栄養の評価
・必要エネルギー量やたんぱく質量の検討
・嚥下調整食の提案
・とろみの使用に関する助言
・経口摂取が難しい場合の栄養管理の検討
ただし、嚥下機能そのものの評価を専門的に行う職種としては、
言語聴覚士が最も適しています。