チオール(メルカプト)の酸化でジスルフィド 第87回薬剤師国家試験問11d
第87回薬剤師国家試験 問11d
化学反応に関する下記の記述の正誤を判定してみよう。
d メルカプト基をもつ化合物は,還元によってジスルフィド結合をもつ化合物に変換することができる。
第87回薬剤師国家試験 問11d 解答解説
d × メルカプト基をもつ化合物は,還元によってジスルフィド結合をもつ化合物に変換することができる。
→ 〇 メルカプト基をもつ化合物は,酸化によってジスルフィド結合をもつ化合物に変換することができる。
酸化とは、
電子を失うこと、または、
ある原子(通常は炭素)の電子密度が低下することであり、
電気陰性度の低い水素が外れることや
電気陰性度の高い酸素,窒素,ハロゲンが結合することが挙げられる。
還元とは、
電子を受け取ること、または、
ある原子(通常は炭素)の電子密度が上昇することであり、
電気陰性度の低い水素が結合することや
電気陰性度の高い酸素,窒素,ハロゲンが外れることが挙げられる。
2つのメルカプト基(チオール基:−SH)からジスルフィド結合(−S−S−)が形成される脱水素縮合について、
比較的に電気陰性度の小さい水素が外れることにより
硫黄の電子密度が低下しているので、
この反応は酸化反応である。
逆に、ジスルフィド(−S−S−)からメルカプト基(−SH)への変換は、
比較的に電気陰性度の小さい水素が付加することにより
硫黄の電子密度が上昇しているので、
この反応は還元反応である。