シスチンを還元するとシステインが生成する 薬剤師国家試験97回問207の4
第97回薬剤師国家試験 問207の4
下記の記述の正誤を判定してみよう。
4 シスチンを酸化するとシステインが生成する。
第97回薬剤師国家試験 問207の4 解答
4.× シスチンを酸化するとシステインが生成する。
→ 〇 シスチンを還元するとシステインが生成する。
酸化とは、
電子を失うこと、または、
ある原子(通常は炭素)の電子密度が低下することであり、
電気陰性度の低い水素が外れることや
電気陰性度の高い酸素,窒素,ハロゲンが結合することが挙げられる。
還元とは、
電子を受け取ること、または、
ある原子(通常は炭素)の電子密度が上昇することであり、
電気陰性度の低い水素が結合することや
電気陰性度の高い酸素,窒素,ハロゲンが外れることが挙げられる。
シスチンは2分子のシステインがジスルフィド結合(−S−S−)で結合した化合物である。
シスチンが2分子のシステインになる反応は、
−S−S−が
−SH HS−になる反応であるが、
比較的に電気陰性度の小さい水素が付加することにより
硫黄の電子密度が上昇しているので、
この反応は還元反応である。
逆に、2分子のシステインからシスチンになる反応は、
−SH HS−が
−S−S−になる脱水素縮合反応であるが、
比較的に電気陰性度の小さい水素が外れることにより
硫黄の電子密度が低下しているので
この反応は酸化反応である。
★参考外部サイトリンク
酸化(wikipediaさん)
★他サイトさんの解説へのリンク
97回問207(e-RECさん)