プロカインの合成法 第93回薬剤師国家試験問12

第93回薬剤師国家試験 問12
次の反応式は、プロカインの合成法の1つを示したものである。合成原料、合成法とプロカインの構造と性質に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

プロカインの合成法 第93回薬剤師国家試験問12

 

a 合成原料である4-nitrobenzoic acidのpKaはbenzoic acidよりも小さい。

 

b 反応Aは第2級アミンを求核剤として、主にSN2機構で進行する。

 

c プロカインの2つのアミノ基のうち、第3級のアミノ基よりも第1級のアミノ基の塩基性が高い。

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第93回薬剤師国家試験 問12 解答解説

 

◆ aについて
プロカインの合成法 第93回薬剤師国家試験問12

 

〇 4-nitrobenzoic acidのpkaはbenzoic acidよりも小さい。

 

詳細は下記のリンク先を参照
カルボン酸における電子供与・求引効果による酸性度の変化 96回問7c

 

 

◆ bについて
プロカインの合成法 第93回薬剤師国家試験問12

 

b ○ 反応Aは第2級アミンを求核剤として、主にSN2機構で進行する。

 

反応Aは、ハロゲン−sp3炭素の構造を有するハロゲン化アルキルのCδ+対して、
アミンがハロゲンのいない方向から求核攻撃すると同時にハロゲンが陰イオンとなって外れ、
結果、基質においてハロゲンとアミンが置換したものが生成するSN2反応である。

 

プロカインの合成法 第93回薬剤師国家試験問12

 

 

◆ cについて

 

× プロカインの2つのアミノ基のうち、第3級のアミノ基よりも第1級のアミノ基の塩基性が高い。
→ 〇 プロカインの2つのアミノ基のうち、第1級のアミノ基よりも第3級のアミノ基の塩基性が高い。

 

プロカインの合成法 第93回薬剤師国家試験問12

 

 

第93回問12cについては下記のリンク先を参照
脂肪族,芳香族アミンの塩基性の強さの比較 93回問12の3

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