硫酸と硝酸を用いるベンゼンのニトロ化反応 第88回薬剤師国家試験問11b

第88回薬剤師国家試験 問11b
化学反応に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

b 硫酸と硝酸を用いるベンゼンのニトロ化反応では、ニトロニウムイオンが求核剤として働いている。

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第88回薬剤師国家試験 問11b 解答解説

 

b × 硫酸と硝酸を用いるベンゼンのニトロ化反応では、ニトロニウムイオンが求核剤として働いている。
→ 〇 硫酸と硝酸を用いるベンゼンのニトロ化反応では、ニトロニウムイオン(+NO2)が求電子剤として働いている。

 

★ 芳香環はπ電子豊富であり、求電子試薬(E+)と反応し、水素と求電子試薬が置換する求電子置換反応を起こす。

 

芳香環は求電子置換反応の基質となる。
発煙硝酸(濃硝酸の1種)と濃硫酸を反応させると、硝酸が硫酸によりプロトン化され、その後、脱水が起きてニトロニウムイオン(+NO2)を生成する。
次いで、電子豊富な芳香環の1つの炭素に対して求電子剤のニトロニウムイオンが付加してカルボカチオン中間体を生成し、次に同じ炭素から水素がプロトンとして外れ、結果、芳香環の炭素の1つにおいてHとNO2が置換したものが生成する(求電子置換反応によるニトロ化)。

 

硫酸と硝酸を用いるベンゼンのニトロ化反応 第88回薬剤師国家試験問11b

 

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