87回薬剤師国家試験問5　光学活性化合物のラセミ化，キラル中心と光学活性など

第87回薬剤師国家試験　問5
立体化学に関する記述のうち，正しいものはどれか。

a　キラル中心１つをもつ光学活性化合物が，そのキラル中心上で反応し，carbocationを中間体とするときは，一般にラセミ化を起こす。

b　実測の旋光度の符号（＋,－）は，絶対配置を示す表示（R,S）にそれぞれ対応している。

c　キラル中心を含む化合物は，必ず光学活性を示す。

d　2,3-dibromobutaneは２個のキラル中心を持ち，４個の光学活性体が存在する。

e　互いにエナンチオマーの関係にある化合物においては，それぞれのNMRスペクトルは完全に一致する。

第87回薬剤師国家試験　問5　解答解説

◆　aについて

a　〇　キラル中心１つをもつ光学活性化合物が，そのキラル中心上で反応し，carbocationを中間体とするときは，一般にラセミ化を起こす。

詳細は下記のリンク先を参照
87回問5a

◆　bについて

b　×　実測の旋光度の符号（＋,－）は，絶対配置を示す表示（R,S）にそれぞれ対応している。

”ある平面偏光に対する化合物の右旋性,左旋性”と
”不斉中心のR,S”は対応していない。

詳細は下記のリンク先を参照
87回問5b

◆　cについて

c　×　キラル中心を含む化合物は，必ず光学活性を示す。

分子内にキラル中心（不斉中心）を有するからといって必ず光学活性を示すとは限らない。

詳細は下記のリンク先を参照
87回問5c

◆　dについて

d　×　2,3-dibromobutaneは２個のキラル中心を持ち，４個の光学活性体が存在する。
→　○　2,3-dibromobutaneは２個のキラル中心を持ち，２個の光学活性体が存在する。

詳細は下記のリンク先を参照
87回問5d

◆　eについて

e　○　互いにエナンチオマーの関係にある化合物においては，
それぞれのNMRスペクトルは完全に一致する。

詳細は下記のリンク先を参照
87回問5e